関節可動域訓練   ゆざわひろみ
    公開 2019年01月27日

 肢体不自由児の不自由な身体を少しでも改善するためには、運動療法と言われる治療手技を施すこととなります。
 その中でも関節可動域確保のために行われるのはストレッチです。
 ストレッチについては、ヘルス出版社発行の教本「立つ・歩くことを考えた 脳性まひ児のリハビリテーション (−運動機能獲得へのアプローチ−)」を参考にしてください。
 教本を参考にしても、ストレッチの成果を見ることができないケースについて、ここに記してみます。
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 ストレッチの成果が最も現れやすいのが、痙直型の麻痺であって、次いで現れるのが知的障害に伴う運動発達遅滞での可動域制限です。
 ストレッチの成果を見ることの難しいのが、アテトーゼ型や強剛型の麻痺とその合併症です。
成果を見ることができれば、更に意欲的となりストレッチを行うことも楽しい行為となるのでは…!
 しかし成果を見ることができないと、ストレッチを行う意欲も減少し、更に関節可動域を狭める結果となるのです。
 〔丁寧にストレッチを行っているのだが、子どもの関節がなかなか動かない〕
 アテトーゼ型や強剛型とその合併症では、ストレッチの効果を診るのにちょっとした工夫が必要です。
 その工夫とは・・・・
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1 繰り返しのストレッチ
 ストレッチは毎日、全身の関節に行うことが望ましく、特に可動域制限の有る関節については忘れずに行いたいです。
 毎日繰り返し行う話題ではなく、可動域制限が多々の関節に起きているときや、限られた関節に起きているときでも、全身のストレッチを一度行い、更に制限の有る関節を行い、まだ制限が有るならばその関節にストレッチを施します。
 数回の繰り返しのストレッチによって、可動域制限はかなりの割合で解消していきます。
 ストレッチが長い月日に渡って行われていないと、可動域制限が改善しないこともあります。
 最低でも継続して3ヶ月間、全身のストレッチを丁寧に行うことによって、成果や効果が現れます。
 3ヶ月間の結果で成果や効果が見られないときには、ストレッチが間違っているのか、すでに拘縮となっているのかも知れません。
2 間違ったストレッチ
 何事も思い込みという記憶違いがあり、ストレッチの指導を受けている際に間違って記憶してしまい、正しくストレッチが行われないことが起きます。
 各関節には動く方向が定まっています。
 動く方向の全てにストレッチが必要なのに、記憶に残らなかったためなのか、ストレッチができていない関節の一部の方向が生じるのです。
 指導を受けている方に、時にはチェックをしてもらうことも必要なのかも・・
 指導している者は、ストレッチが行われていない箇所を見つけたならば、注意することも必要です。
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 私の元に来られた子どもは、ストレッチを受けていたと話してくださいます。
 しかし、ストレッチを受けていたような身体ではないのが現実です。
 保護者の前でストレッチを開始すると、「その様なことは知らなかった」、「その様な動きはしなかった」などと言われます。
 用はストレッチは行われていなかったのでは…?
 ストレッチしかり、運動機能訓練しかり、歩行訓練しかり、どの指導も行われていることとなっていますが、実際には行われてはいないのです。
 肢体不自由児の多くで、ストレッチが丁寧に行われていたならばもっと違う身体であったり、動きや姿勢が違っていたのではないかと想像できる子どもを見受けます。
 ストレッチはとても大切な治療の一つです。
→ ストレッチを行うだけで変わったのかも…?

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